Why DeDeal Works
Intro
DeDealを以下の論文の「不公平感回避の単純なモデル(A SIMPLE MODEL OF INEQUITY AVERSION)」を利用してモデル化した場合、「不公平感回避」傾向を持つプレイヤーの間では詐欺が発生しないことを示します。
ここで「不公平感回避」とは「人々が不公平な結果に抵抗すること、すなわち、より公平な結果を得るために、ある程度の物質的報酬をあきらめることをいとわないこと」を意味します。
最後通牒ゲームと呼ばれる経済実験や、企業の賃金設定のような経験的結果など、「不公平感回避」的な動機が多くの人々の行動に影響を与えることを示唆する実質的な証拠が多数存在します。
Modeling
一般的なモデル
プレイヤーi,jにおける「不公平感回避の単純なモデル(A SIMPLE MODEL OF INEQUITY AVERSION)」は以下の通りになります。
Ui(x)=xi−αi×max(xj−xi,0)−βi×max(xi−xj,0),i=j
Ui(x) :プレイヤーiの効用関数
xi:プレイヤーiの金銭的な効用
xj:プレイヤーjの金銭的な効用
αi:プレイヤーiの自身に不利な不平等に伴う効用損失倍率
βi:プレイヤーiの自身に有利な不平等に伴う効用損失倍率
DeDealのモデル分析
このモデルをsellerが詐欺を行い価格Pの商品の発送を行わなかったパターンに適用した場合のbuyerと sellerの選択肢は以下の通りです。
・フェーズ0
sellerが詐欺を行うかの選択
・フェーズ1
sellerによる商品の未発送詐欺が行われた場合のbuyerによる制裁ボタンの選択
Ub(P):buyerの効用関数
P:商品の価格
xb:buyer金銭的な効用
xs:sellerの金銭的な効用
αb:buyerの自身に不利な不平等に伴う効用損失倍率
βb:buyerの自身に有利な不平等に伴う効用損失倍率
Rb:制裁ボタンを押すために行ったデポジットをsellerからの制裁のやり返しで失うリスクによるbuyerの損失効用
<選択肢1-1>
buyerが制裁ボタンを押さなかった場合のbuyerの効用関数:
<選択肢1-2>
buyerが制裁ボタンを押した場合のbuyerの効用関数:
Ub(P)=−P−αb×(0)−βb×(0)−Rb=−P−Rb
「Rb」はsellerがフェーズ2で制裁ボタンを押す場合は「2P」、押さない場合は「0」
・フェーズ2
buyerによる制裁の実行が行われた場合のsellerによる制裁ボタンの選択
Us(P):sellerの効用関数
P:商品の価格
xs:sellerの金銭的な効用
xb:buyerの金銭的な効用
αs:sellerの自身に不利な不平等に伴う効用損失倍率
βs:sellerの自身に有利な不平等に伴う効用損失倍率(sellerは詐欺を行っているのでこの値は0)
Rs:制裁ボタンを押すために行ったデポジットをbuyerからの制裁のやり返しで失うリスクによるsellerの損失効用
<選択肢2-1>
sellerが制裁ボタンを押さなかった場合のsellerの効用関数:
Us(P)=−P−αs×(0)−βs×(0)
<選択肢2-2>
sellerが制裁ボタンを押した場合のsellerの効用関数:
Us(P)=−P−αs×(0)−0×(−P−(−3P))−Rs=−P−Rs
(「Rs」はbuyerがこの後に制裁ボタンを押し返す場合は「2P」、押さない場合は「0」)
ここで、フェーズ1でbuyerが<選択肢1-2>を選択したと仮定した場合、フェーズ2においてsellerは<選択肢2-1, 2-2>に伴うUs(P)の値を比較して、<選択肢2-1>を選ぶと予想できます。
フェーズ2で<選択肢2-1>が選ばれる場合は、フェーズ1において「Rb」が0になる為、buyerは<選択肢1-1, 1-2>を選ぶ際にUb(P)の値を比較し、<選択肢1-2>を選ぶと予想できます。
つまり、フェーズ0でsellerが詐欺を行う選択肢を選んだ場合に予想される最終的なそれぞれの効用は以下の通りになる為、buyerが「不公平感回避」的な傾向を持つプレイヤーである場合は、sellerは詐欺を行わない方が良いということになります。
Us(P)=−P
Ub(P)=−P
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